【超難化!?】いまさら聞けない共通テスト英語!一体なにが難しいの?

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今年も1月14日、15日に2024年度大学入学共通テストが実施されました。
今回も前年と比べて英語が難化語数が増えたなどと言われています。
しかしこの記事をお読みの方の中には、共通テストの英語ってどんな試験なの?普通の大学入試の問題とどう違うの?という方もいらっしゃると思います。

そこで、今回は難しいと言われる大学入学共通テスト英語リーディングについて各種データをもとにお話ししていこうと思います。

この記事は次のような人におすすめ!

  • 共通テスト英語リーディングについて知りたい
  • 勉強方針が知りたい
  • 他の英語試験との違いを知りたい

共通テスト最大の特徴であり、難しさの理由がこの膨大な文章量です。
まずは下のグラフを見てください。

過去4年間の総単語数の推移

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※総語数については多少の誤差がある場合があります

どうでしょうか?年々すごい勢いで増加していっているのがわかると思います。

ではこの大量の文章を80分という時間の中で読解していくにはいったいどれほどの速さで英文を読まないといけないのでしょうか?

ここではWPMという一分間でだいたい何単語読めるのかという指標を使って説明していきます。(50WPMだと一分間に約50単語読めるということになります)

推奨WPMは150

平均的な高校生読解スピード75WPMくらいだと言われています。
この速度で読み進めた場合、

約6000語÷75WPM=80分!

なんとピッタリ試験時間です。これでは問題を読むだけで試験終了です。

実際には問題を読んだうえで正解の選択肢を選ばないといけません。
余裕を持って解答するためには、試験時間の半分くらいを目安に解答時間を確保したいところです。

その場合、約6000語÷40分=150WPM

高校生の平均WPMの2倍のスピードが理想ということになります。

この圧倒的な語数、必要な読解スピードから、
共通テストの英語が如何に大変な試験なのかお分かりいただけたと思います。

共通テストと他試験の比較表

総語数試験時間読解時間推奨WPM
2024共通テスト623380分40分約150WPM
2020センター試験432880分40分約110WPM
英検準1級約380090分30分約125WPM
英検2級約310090分30分約100WPM
※読解時間は試験時間÷2で算出しています。
※英検の読解時間についてはwritingの時間を準1級30分、2級25分として試験時間から引いた後、上記の通り算出しています。

ご覧のように共通テストの語数の多さ、推奨WPMが突出しているのがわかると思います。
難関と言われる英検準1級と比べても遜色ないどころか、それ以上のスピードを求められる試験です

ここからは共通テストの実際の問題についてお話ししていきたいと思います。
まずは読解する文章の内容からご説明します。

日常生活に関連した文章が多い

一般的な大学入試であれば政治経済や科学など学問に関連した難しいテーマが頻出ですが、共通テストはまったく方向性が異なります。

以下に2024年度の出題内容をまとめました

大問出題内容設問数配点
第1問A異文化交流イベントの告知210
B日帰り旅行の案内3
第2問Aゲームクラブの案内チラシ520
B海外旅行保険のレビュー記事5
第3問Aイベントのブログ記事215
B学校新聞3
第4問教室環境についての記事とアンケート516
第5問物語文515
第6問A時間の認識についての記事424
B唐辛子についての論説文5

いかがでしょうか。
イベントの告知や学校生活に関するものなど、日常生活に関連した内容が多いことにお気づきだと思います。

また、このような親しみやすい内容に加えて、全体を通してシンプルな英文で構成されており、読解難易度は高くありません。一見難しそうに見える問5、6についても同様です。大学受験生の標準的な英語力問題なく読める内容です。

難しいと言われる共通テストですが、文章の内容は世間の評判ほど難しくないのです。

文法問題や発音問題がない

共通テストには読解問題しかありません。

旧センター試験や大学ごとの入試では頻出の文法問題や発音問題が一切出題されないのです。
100点分オール読解問題です。

では「文法の勉強は必要ないのか?」と言われれば半分Yesで半分Noです。

文法は基礎を徹底的に

大学受験の文法といえば、関係代名詞と関係副詞の判別のような難解な文法知識をイメージするかもしれません。

しかし、前述したとおり、共通テストには独立した文法問題が出題されない上、ほとんどの文章がシンプルな表現で書かれています。つまり、細かい文法知識ではなく、膨大な英文を素早く読むための文法知識が必要となります。

では読解に必要な文法とはなんでしょうか?

それは、中学生で学習する文法です。
なかでも語順時制などの基礎文法は非常に重要です。

「そんな簡単な文法知ってるよ」と思った方も多いと思います。
確かに今この記事を読んでいただいているほとんどの方が上記の文法は知っているし、ルールも理解しているでしょう。しかし、

知っていることと使えることは違います!

理解した知識を無意識に使えるところまで徹底的に練習して自分のモノにしましょう。
そうすることで英語を英語のまま読んでいけるようになり、結果として読む速度が劇的に向上します。

単語レベルは高くない

次に文章中に使われる単語について見ていきましょう。

さきにも少し触れましたが、共通テストは日常的なテーマに関連した内容が中心です。そのため専門的な単語は少なく、中学高校で学んだ標準的な難易度の単語がほとんどです。英検で言えば2級までの単語が中心です。近年は準1級レベルの難単語の登場頻度も上昇してきていますが、他が読めていれば文脈から推測できる範囲です。

必要な単語数は?

では実際どのくらいの数の単語を覚える必要があるのでしょうか?
各試験の語彙レベルを表にまとめてみました。

共通テスト5000語程度
英検2級5000語程度
MARCH6000語程度
英検準1級8000語程度
早慶9000語程度
※こちらの表は筆者の主観を含んでおり、必要単語数については諸説あります。

このように必要単語数は決して多くありません。
ただし、一つ一つの単語、特に基本レベルの語を使えるレベルまで仕上げることが大切です。
これだけの分量を読む上で、「この単語の意味は~」なんてやってる時間はありません。
基本単語は日本語を介さずに意味が取れる状態まで仕上げましょう。

では、日本語を介さずに意味が取れるとはどういう状態をいうのでしょうか?
例えば ”I’m happy.” のような英文をわざわざ日本語に訳して読むことはしないと思います。
多くの方が英語のまま意味をイメージ出来るはずです。

ではなぜそのようなことが出来るのでしょうか?
答は一つ、何度も何度もその単語に触れたことによってその単語イメージが瞬時に湧いてくるからです。

そのような語彙をどこまで増やせるか、それが共通テスト攻略のカギになります。

おすすめの単語帳

以下のリンクでおすすめ単語帳とその特徴、選び方について紹介しています。

ここまで共通テスト英語リーディングについて解説しました。
それでは今回の内容をおさらいします。

  • 総語数6000語を超える
  • 年々総語数が増加している
  • 読解スピードは150WPM
  • 英文難易度は高くない
  • 文法は基礎を徹底
  • 単語は約5000語必要

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も現職の講師ならではの受験情報や勉強法を公開していく予定です。

筆者が横浜で主催している受験塾、DUO受験パーソナルトレーニングでは受験生の皆様の目標、現状に合わせた最適な学習プランを作製、指導しています。これまで東京大学、早慶を始め、多くの難関大学合格者を輩出してきました。英検、TOEIC対策コースも実施中です。2024年度合格速報公開中!

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